リフレックス錠





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リフレックス錠(15mg)のすべて

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特徴

 

リフレックス錠は日本では2009年9月から発売が開始されました。

 

このリフレックス錠は第4世代の抗うつ薬であるNaSSAに分類されており15mgの1規格のみの発売になっています。

 

この明治製菓が発売しているリフレックス錠、同じ成分で名称が異なる薬としてレメロン錠があります。このレメロン錠はシェリング・プラウが発売しています。

 

特徴として効果が発現するまでの速さと睡眠障害に効果があるという事です。しかし睡眠障害に効果があるという事は副作用としては眠気が出やすいというデメリットも合わせもっている抗うつ薬になります。

 

これはリフレックス錠の構造式が4環系抗うつ薬であるテトラミドに似ており、元々眠気発現作用が出やすい事から起因されているのです。リフレックスはテトラミドの親戚ななものでありるのです。

 

このリフレックスの副作用として眠気が多いのは脳内H1受容体へ結合しやすく眠気が起きやすい事が原因となります。詳細については副作用の項目で説明します。

 

*リフレックス錠30mgが2016年5月25日に発売開始となりました。

 

 

 

NaSSAとは?

 

ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬の略称になり、その名の通りノルアドレナリンとセロトニンの神経伝達を増強する働きを持っています。
つまりノルアドレナリンで低下した意欲を高め、セロトニンで不安・不眠等の改善をはかることが出来ます。

 


 

 

 

 

 

第1〜第4世代って?

 

第1世代
塩酸イミプラミン等などの三環系抗うつ薬の事
特徴 抗うつ作用が強いが副作用である抗コリン作用、心毒性などが強く発現します

 

第2世代
塩酸ミアンセリン等四環系抗うつ薬
およびアモキサピン等改良型三環系抗うつ薬
特徴 第1世代抗うつ薬の副作用がやや軽くなっています

 

第3世代
SSRI
特徴 第1、第2世代と比較し副作用が軽減されました

 

第4世代
SNRI
特徴 抗うつ作用が塩酸イミプラミンと同様に強いが
      副作用はSSRIと同じ程度になります

 


 

 

効果効能

リフレックス錠の効果効能

 

うつ病・うつ状態

 

効果発現までの期間

 

早い方だと翌日ぐらいから効果発現するほど早く
SSRIより速く発現する事が多いです。
*抗うつ効果は3日程度で現れる方が多いようです

 

 

作用機序

 

リフレックス錠はセロトニン受容体のうち、5-HT1Aには結合しなく
5-HT2A、5-HT2C、5-HT3に結合します。

 

 

各セロトニン受容体の働き

 

5-HT1A 抑うつ作用、抗不安作用

 

5-HT2A 性機能障害作用
5-HT2C 不安作用・不眠作用
5-HT3  消化器症状、悪心


 

5-HT2A、5-HT2C、5-HT3受容体にセロトニンが結合してしまうと
特に5-HT2Cに結合すると抗うつ剤としては逆の作用が発現してしまいます。
(不安作用、不眠作用が発現してしまいます)

 

つまりセロトニンが5-HT2A、5-HT2C、5-HT3の各受容体に結合する事によって
発現する作用(上記参照)を、リフレックスがその受容体に結合する事により
ブロックする事が出来るのです。

 

よってリフレックスにはSSRIで起こりやすい副作用である
性機能障害、不安、焦燥、吐気などが起こりにくくなっています。

 

リフレックス錠が抗うつ剤としての効果発現には
5-HT1A受容体にリフレックスが結合する事によるものなのです。

 

 

こんなにあるの!?セロトニン受容体のすべての種類とは?

 

 

副作用

副作用としては
傾眠(50%)が非常に起こり易くなっています。
その次に多いのが口渇(20.6%)、倦怠感(15.2%)、便秘(12.7%)となります。

 

簡単にいうと眠気の副作用が非常に多いという事です。
あまりにもひどく1日中ぼーっとしてしまって服用中止になる方もいるほどの
眠気が出る方も中にはいらっしゃいます。

 

これはH1受容体への親和性が高い為、眠気が出やすい事に繋がっています。
この眠気は服用当初に起こりやすく、その後徐々に改善する事が多いようです。

 

1日30mg服用する場合と15mg服用する場合、どちらにおいても
それほど眠気の発現率がほぼ変わらないといわれています。
これは15mgの服用でH1受容体にほぼ結合してしまう事が原因のようです。

 

またH1受容体には食欲増進作用もあるので他の抗うつ薬と比較し
食欲増進作用が強いとも言えます。事実、リフレックスに変更になった途端
食欲が増して体重が増えたという患者様の声はよくききます。

 

この女性には非常に気になる副作用である体重増加ですが
これは、上記の抗ヒスタミン作用による食欲増進と、うつ状態から改善していく過程での
食欲増進による体重増加などによるものと考えられています。
*リフレックスでは体重が増えて太ったと訴える患者さんが多いと感じます。

 

抗うつ薬で太る!?体重増加の副作用が起こる原因とは?

 

傾眠(けいみん)とは?
周囲からの刺激があれば覚醒する浅い睡眠状態の事ですぐ意識が混濁する状態。

 

 

 

注意点

 

抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者(精神疾患患者対象)で
自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため
本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮する事になっています。

 

離脱症状・断薬

 

 

 

 

離脱症状とは?

 

急激な服用の中断や減量にした時に起こる事がある、不安、浮動性めまい、興奮、悪心、頭痛症状などの事をいいます。
離脱症状の発現を防ぐ為に1/2錠、1/4錠などと徐々に中止していきます。よって自己判断による服用中止は避ける必要があります。
退薬症状と言われる事もあります。この減薬、退薬期間は個人差があり数週間〜数か月になります。


 

妊婦・授乳婦

 

妊婦さんへの投与は一般的な薬と同様に治療上の有益性が
危険性を上回ると判させる場合にのみと事になっています。

 

また授乳中は母乳中に薬剤成分が移行するので
避けた方が望ましいとされています。

 

薬価

同成分であるレメロン錠よりわずかではありますが薬価が高くなっています。

 

 

規格 薬価
リフレックス錠 170.8
レメロン錠30mg 282.0

*H28年4月変更薬価(次回はH30年4月予定)

*H26年薬価改定で薬価が上昇となりました。

 

ジェネリック医薬品

 

リフレックス錠のジェネリック医薬品は
まだ発売されていません。

 

 

リフレックス錠詳細

成分名 ミルタザピン
剤形・規格 錠剤/15mg
効果効能・用法・用量

リフレックス錠
うつ病・うつ状態

 

◎うつ病・うつ状態
通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15〜30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。

 

警告 特になし
禁忌 併用禁忌:MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩(エフピー))
原則禁忌 特になし

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