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レクサプロ錠10mgのすべて

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特徴

 

レクサプロ錠10mgは日本では2011年8月から発売が開始された
日本で一番新しいSSRIになります。 ⇒SSRI一覧

 

 

 

SSRIとは?

 

選択的セロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれ
シナプスでセロトニンを選択的に再取り込み阻害する事で
セトロニン濃度を上昇させ効果発現をする薬剤です。

 


 

このレクサプロ錠は元々海外で使用されているSSRIである
シタロプラム(日本未発売)のS体だけを取り出し創出された抗うつ薬になります。

 

 

特徴としては今までのパキシルなどのSSRIと比較して
セロトニン再取り込み阻害の選択性がかなり高い事があります。

 

パキシル等のSSRIではノルアドレナリン、ドパミンの再取り込阻害作用を持っているが、セロトニン阻害作用より、それらの効果が低い為SSRIと呼ばれてるのが実際である。

 

ノルアドレナリンやドパミンの再取り込み阻害作用が
セロトニン再取り込み阻害作用と比較しかなり弱いのが特徴になります。
*口渇、便秘、眠気などの副作用は弱いはず

 

脳内での細胞外セロトニン濃度を継続的に上昇させる働きを持つ事により
セロトニン神経系を賦活化して抗うつ作用を発現するのです。

 

効果発現までは一般的なSSRIと比較し早く、1週間ほどで発現する事が多いようです。
また急な服用中止でも離脱症状が起こる事は少なくなっています。

 

確かに患者さんで効果がすぐに実感できたという方が比較的多いSSRIですし
他の薬への切り替え時は漸減(徐々に減らす事)しない場合が多く見られます。

 

 

効果効能

レクサプロ錠の効果効能

 

うつ病・うつ状態

 

効果発現までの期間

 

1週間程度で発現する場合が多い
*通常のSSRIは2週間程度

 

 

副作用

一番多く起こる副作用としては
悪心(23.8%)が起こり易くなっています。

悪心(おしん)とは?
吐気。嘔気の事。

 

その次に多いのが傾眠(23.5%)、頭痛(10.2%)、口渇(9.6%)となります。
その他に浮動性めまい、下痢などが比較的多い副作用になります。

 

吐気は特に服用初期に起こる可能性が高くなっていますが
服用を続けると消失する事が多くなっています。(耐性が発現する)。
副作用を防止する為にプリンペラン等の吐き気止めと
一緒に処方されるのをよく見る機会があります。

 

服用によって太るなどと言われている事がありますが
これは体調がよくなり元気になる事による食欲増進によっての結果、
また各種受容体遮断による食欲増進作用、グリシンによる影響だといわれています。

 

抗うつ薬で太る!?体重増加の副作用が起こる原因とは?

 

なお体重増加だけでなく体重減少の副作用もまれに見られます。

 

ちなみに抗うつ薬の中で比較的体重増加が見られにくいタイプとなります。
*NaSSAであるリフレックスは体重増加する方が多い印象です。

 

 

傾眠(けいみん)とは?
周囲からの刺激があれば覚醒する浅い睡眠状態の事ですぐ意識が混濁する状態。

 

 

 

SSRIによる悪心・嘔気発生のメカニズムは?

 

ジェイゾロフトなどのSSRIの服用初期に現れやすい副作用である悪心嘔気は、セロトニンの再取り込みを阻害して消化管粘膜細胞近傍のセロトニン濃度を増大させることにより、5-HT3受容体を刺激する事により嘔吐中枢が刺激され発現すると考えられています。


 

 

5-HT3受容体とは?
複数存在するセロトニン受容体の1種であり悪心嘔気発現に関係しています。この受容体にセロトニンが結合する事で吐気が発現します。

 

こんなにあるの!?セロトニン受容体のすべての種類とは?

 

 

注意点

 

抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者(精神疾患患者対象)で
自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため
本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮する事になっています。

 

離脱症状・断薬

 

一般的にはSSRIの中で一番離脱症状が出にくいと言われています。
服薬を中止する時に漸減漸増の必要をしなくてもほぼ問題ないようです。

 

パキシルなどのSSRIは薬を変更する時には徐々に減量する必要がありますが
レクサプロの場合は急に中止しても問題ないことが多いのです。

 

 

離脱症状とは?

 

急激な服用の中断や減量にした時に起こる事がある、不安、浮動性めまい、興奮、悪心、頭痛症状などの事をいいます。
離脱症状の発現を防ぐ為に1/2錠、1/4錠などと徐々に中止していきます。よって自己判断による服用中止は避ける必要があります。
退薬症状と言われる事もあります。この減薬、退薬期間は個人差があり数週間〜数か月になります。


 

妊婦・授乳婦

 

妊婦さんへの投与は一般的な薬と同様に治療上の有益性が
危険性を上回ると判させる場合にのみと事になっています。

 

また授乳中は母乳中に薬剤成分が移行するので
避けた方が望ましいとされています。

 

薬価

 

 

規格 薬価
レクサプロ10mg 216.4

*H28年4月変更薬価(次回はH30年4月予定)

 

ジェネリック医薬品

 

レクサプロ錠のジェネリック医薬品は
まだ発売されていなく(H25.3現在)、先発品のみとなり
10mg1錠で212円と非常に高価な薬となっています。

 

 

レクサプロ錠詳細

成分名 エスシタロプラムシュウ酸塩
剤形・規格 錠剤/10mg(割線あり)
効果効能・用法・用量

レクサプロ錠
うつ病・うつ状態

 

◎うつ病・うつ状態
通常、成人にはエスシタロプラムとして10mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行い、1日最高用量は20mgを超えないこととする。

 

警告 特になし
禁忌 併用禁忌:MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、エフピー) 、ピモジド(オーラップ)
原則禁忌 特になし

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