パキシル錠





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パキシル錠5mg/10mg/20mg CR錠12.5mg/25mg

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特徴

 

2012年6月にパキシルCR錠が発売されたパキシル錠。
パキシル錠は5mg、10mg、20mgと徐放錠(CR錠)12.5mg、25mgからなります。

 

分類としてはSSRIに分類される抗うつ薬となります。

 

 

 

SSRIとは?

 

選択的セロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれ
シナプスでセロトニンを選択的に再取り込み阻害する事で
セトロニン濃度を上昇させ効果発現をする薬剤です。

 


 

パキシル錠10mgと20mgについては2000年11月に発売が開始され
のちの2010年9月に5mgが発売になりました。
徐放錠であるCR錠12.5mgと25mgに関しては2012年6月発売になります。

 

普通錠については既にジェネリック医薬品が発売されています。
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効果効能

 

パキシル錠の効果効能

 

うつ病・うつ状態
強迫性障害、社会不安障害

 

パキシルCR錠 効果効能

 

うつ病・うつ状態

 

 

パキシルCR錠については
普通錠で承認されている効果効能である
「強迫性障害、社会不安障害」の適応はなく下記の通りになります。

 

GSKに確認したところ
「承認が早くおりるように適応を絞った為」との事でした。
通常その後に適応が追加される事が多いのですが、追加予定はないそうです。

 

やはり申請等にはコストがかかるからなのか
理由はよくわかりませんが、現段階ではそうとの回答でした。(GSK DIに確認)。

 

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副作用

一番多く起こる副作用としては
傾眠(23.6%)が起こり易くなっています。
その次に多いのが嘔気おうき(吐気)(18.8%)となります。

 

吐気は特に服用初期に起こる可能性が高くなっていますが
服用を続けると消失する事が多くなっています。
副作用を防止する為にプリンペラン等の吐き気止めと
一緒に処方されるのを見る事が出来ます。

 

パキシルCR錠では徐放化する事で消化器系の副作用が軽減され
SSRIの服用初期にみられる悪心嘔吐が減るとの事です。

 

実際、患者さんの中で吐気の副作用により服用を中止せざるを得ない方も
見ていますので、そんな場合に効果的になりますね。

 

海外におけるデータでは、パキシル錠における副作用発現による
治療脱落率は16%で、CR錠では10%だったとの報告があります。

 

また添付文書上では傾眠の副作用割合も減っているようです。

 

また体重増加の副作用が添付文書に掲載してありますが
その割合は0.2%となっています。
この体重増加の副作用については様々な要因が関係しており
詳細については下記ページを参考にしてください。

 

抗うつ薬で太る!?体重増加の副作用が起こる原因とは?

 

傾眠(けいみん)とは?
周囲からの刺激があれば覚醒する浅い睡眠状態の事ですぐ意識が混濁する状態。

 

悪心(おしん)とは?
吐気。嘔気の事。

 

 

SSRIによる悪心・嘔気発生のメカニズムは?

 

パキシルなどのSSRIの服用初期に現れやすい副作用である悪心嘔気は、セロトニンの再取り込みを阻害して消化管粘膜細胞近傍のセロトニン濃度を増大させることにより、5-HT3受容体を介して嘔吐中枢が刺激され発現すると考えられています。


 

 

注意点

 

海外でのデータになりますが、自殺に関するリスクを上昇させるという報告があるので
18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際は慎重に検討する事になっています。

 

希死念慮が強い方には症状を悪化させる可能性が高いので
あまり使いたくないというDrの話を聞いた事もあります。

 

薬価

 

規格 薬価
パキシル錠5mg 52.6
パキシル錠10mg 92.3
パキシル錠20mg 160.7
パキシルCR錠12.5mg 92.9
パキシルCR錠25mg 161.5

*H28年4月変更薬価(次回はH30年4月予定)

 

ジェネリック医薬品

 

ジェネリック医薬品は多数発売されています。
OD錠(口中崩壊錠)も東和1社から発売されています。

 

現在パロキセチンの薬価は下記の通り、各社統一価格となっています。

規格 薬価
5mg 36.2
10mg 63.4
20mg 110.9

*H24年4月変更薬価(次回はH26年4月予定)

 

下記は一例となり多数のメーカーから発売されています。

メーカー 医薬品名
明治 パロキセチン錠10mg「明治」
ファイザー パロキセチン錠20mg「ファイザー」

 

*ジェネリック医薬品の値段を調べたい場合はコチラのサイトを参考にして下さい。

 

 調べ方は先発品名称(パキシル)を入力し表示された右側にある「同効薬リスト」を
 クリックして下さい。ジェネリックがある場合はジェネリック医薬品の価格が出てきます。

 

パキシル錠/CR錠詳細

成分名 パロキセチン塩酸塩水和物
剤形・規格 錠剤/5mg・10mg・20mg/CR12.5mg・CR25mg
効果効能・用法・用量

パキシル錠
うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害

 

◎うつ病・うつ状態
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20〜40mgを経口投与する。投与は1回10〜20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。

 

◎パニック障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして30mgを経口投与する。投与は1回10mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日30mgを超えない範囲で適宜増減する。

 

◎強迫性障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1回20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日50mgを超えない範囲で適宜増減する。

 

◎社会不安障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20mgを経口投与する。投与は1回10mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。

 

 

パキシルCR錠
うつ病・うつ状態

 

◎うつ病・うつ状態
通常、成人には1日1回夕食後、初期用量としてパロキセチン12.5mgを経口投与し、その後1週間以上かけて1日用量として25mgに増量する。なお、年齢、症状により1日50mgを超えない範囲で適宜増減するが、いずれも1日1回夕食後に投与することとし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として12.5mgずつ行うこと

警告 特になし
禁忌 併用禁忌:MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、エフピー) 、ピモジド(オーラップ)
原則禁忌 特になし

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